美しいフリーフォント M+ FONTS の種類が多すぎてわかりにくいので比較してみた

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M+ FONTSはフリーで使えてほとんどすべての漢字まで使える貴重な日本語対応フォントだ。そのうえ、スタイルもウエイトもいろいろあって、デザインにも使いやすい。またTrueTypeフォントなのでPowerPointなどのOfficeでも気軽に使うことができる。

しかし、その反面、種類が多すぎて、インストールするとフォント一覧にいっぱい表示されるし、ちょっと選びにくいという悩みもある。スタイルが7種類、ウエイト(太さ)が5~7種類あって、なんと全部で43種類ある。ここでは自分の備忘録も兼ねて、「どれをインストールしたらいいの?!」という人の助けになるようにメモしておきたい。

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まとめ

結論からいうと下記の4点。

  • M+ 1系(1がつくもの)とM+ 2系(2がつくもの)は好みで。
  • M+ C系(1cや2c)は欧文文字に癖がある。中でも2cは特に特徴的なので注意。
  • 迷ったら“1p”の全ウエイト(7種類)で
  • 等幅が必要な人は1mか2m。

理由はこれ以降をご覧あれ。

ダウンロード

下記のダウンロードページの [Latest Release] からダウンロードできる。

M+ OUTLINE FONTS | DOWNLOAD
http://mplus-fonts.sourceforge.jp/mplus-outline-fonts/download/index.html

2015/4/1現在(mplus-TESTFLIGHT-059.tar.xz)で10MB弱。tar.xz形式で圧縮されているのでLhaplusなどのアーカイバソフトで解凍してやれば、フォントファイル43個とライセンスファイルなどが展開される。

ファイル名の1cや2pなどがスタイル、thinやregularなどがウエイトを表す

ファイル名の1cや2pなどがスタイル、thinやregularなどがウエイトを表す

 

*.ttf ファイルがフォントファイルで、ファイル名のmplus-のあとにつづく1cや2pなどがスタイル、そのあとに続くthinやregularなどがウエイトを表す。

ウエイト

まず、わかりやすいウエイト(太さ)から。ウエイトは細い方からThin, Light, Regular, Medium, Bold, Heavy, Blackの7種類。固定幅のシリーズにはHeavyとBlackが存在しない。

M+ フォントのウエイトは細い方からThin, Light, Regular, Medium, Bold, Heavy, Blackの7種類

M+ フォントのウエイトは細い方からThin, Light, Regular, Medium, Bold, Heavy, Blackの7種類

最近はウエイトの軽い(細い)フォントが好まれる傾向があるが、ウエイトの選択肢が多いというのはデザイン上とても便利だ。

フォントが増えすぎてイヤだ!という場合を除けば、ウエイトはすべてインストールするのがいいだろう。一部だけインストールしたい場合は、Thin, Regular, Boldの3種類でよいのではないかと思う。

スタイル

これが一番悩ましい。下記のページに説明してあるのだが、数が多すぎてさっぱりわからない。

M+ OUTLINE FONTS | DESIGN
http://mplus-fonts.sourceforge.jp/mplus-outline-fonts/design/

表にまとめると下のようになる。

和文(全角固定幅)
M+ 1 M+ 2
欧文・数字
プロポーショナル
M+ P Type-1 1p おすすめ
Type-2 2p
M+ C Type-1 1c
Type-2 2c
欧文・数字
半角固定幅
M+ M Type-1 1m
Type-2 2m
M+ MN Type-1 1mn

プロポーショナルと固定幅

とりあえず7種類のスタイルをすべて並べてみた。なお、以後サンプルの文字列はすべてLightウエイトを使用した。

M+ フォントの全スタイル比較

M+ フォントの全スタイル比較

見てわかる通り、上の4つは英数字がプロポーショナル(幅は文字によって異なる)で、下の3つが固定幅(等幅ともいう。すべての文字が同じ幅)になっている。なお、日本語の漢字やかなはいずれも固定幅だ。

通常使う場合はプロポーショナルフォントが多いだろうから、固定幅フォントを使う人を除いて、1m, 2m, 1mnをインストールする必要はないだろう。1mnはコーディング向けとされているが、あまりきれいにレンダリングされず(エディタにもよるかもしれない)、個人的には好みのフォントではなかった。

和文(漢字・かな・カナ)のスタイル

和文フォントにはM+ 1とM+ 2の2種類がある。それぞれフォント名にある1cや2cなどの数字の部分に対応している。異なるのはひらがなやカタカナのみで漢字は同じデザインだ。ただし、2つの違いは、よくみないとわかりにくい。

M+のサイトではM+ 1は「直線処理と柔らかな曲線の対比が特徴的」、M+ 2は「従来的なゴシック体の雰囲気を残しつつ現代的な表情も併せ持つ」とされている。下の図はM+ 1とM+ 2を比較したものだ。

M+ フォントの2種類の和文スタイルの比較

M+ フォントの2種類の和文スタイルの比較

このように文章を書いてみるとけっこう印象が違う。M+ 1は比較的ふところが広く、ゆとりのあるデザインで、かわいい感じだ。また横線がほぼ真横に引かれている。これに対し、M+ 2はM+ 1を少しノスタルジックにした感じで、映画の字幕に使っても合いそうだが、可読性では少々劣る印象だ。

この違いは完璧に好みだと思うので、自分の好きな方を選ぶとよいだろう。一般的にはM+ 1のほうが汎用的に使えそうなイメージだ。両方インストールし、切り替えてデザインにマッチするほうを使う、というのもアリだろう。

欧文・数字(英数字・半角記号)のスタイル

欧文・数字にはM+ PとM+ Cの2種類がある。M+のサイトではM+ Pは「明るく伸びやかなデザインを心がけた」、M+ Cは「文字組みの時のまとまりの良さを意識して再設計された」とされている。

下の図はM+ P(左)とM+ C(右)を比較したものだ。

M+ フォントの欧文・数字スタイルの比較

M+ フォントの欧文・数字スタイルの比較

まず、下のほうの “The quick brown fox jumps over the lazy dog. 0123456789” のところで1pと1cを比較するとわかりやすいが、pとcでは文字組みをしたときの文章の長さが異なる。おそらくフォントごとの幅が微妙に異なっているのだろう。また、69のデザインが違っている。

欧文・数字にはさらに2種類のTypeがある。それが上図のType-1とType-2で、それぞれ和文のM+ 1とM+ 2と組み合わされている。

Type-1とType-2の違いでわかりやすいのは大文字のMや小文字のgのデザインだ。特に2cのgは下側の丸い部分が途中で終わっていて一見するとフォントが欠けているのかと思ってしまう。このへんは好みが分かれそうだ。

このように、M+ PとM+ Cの違いも好みで選べばよいが、M+ Cの場合は和文フォントによって字形が大きく異なる場合があるので、M+ Pのほうが無難だといえる。

まとめ

再度まとめておくと…

  • M+ 1系(1がつくもの)とM+ 2系(2がつくもの)は好みで。
  • M+ C系(1cや2c)は欧文文字に癖がある。中でも2cは特に特徴的なので注意。
  • 迷ったら“1p”の全ウエイト(7種類)で
  • 等幅が必要な人は1mか2m。

Thank you for reading!

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