新生銀行や東京スター銀行の超短期定期預金に複利効果が期待できない理由

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東京スター銀行の「スターワン1週間円預金」について書いた記事があると教えていただいたので見てみましたが、なかなかひどいですね。タイトルからして言いすぎですね。

「マンガでわかる。」風雲マネー塾[超短期定期預金VS.通常の定期預金][其ノ四 注目商品:定期預金対決編]雪だるま式に増える超短期定期に軍配- WEBネットマネー「マンガでわかる。」風雲マネー塾[超短期定期預金VS.通常の定期預金][其ノ四 注目商品:定期預金対決編]雪だるま式に増える超短期定期に軍配- WEBネットマネー

満期までの期間が1〜2週間の超短期定期預金が人気を集めている。超低金利の今、金利、流動性、機動性に優れるこの商品は見逃せない!

新生銀行や東京スター銀行から金をもらってるのかと思うほど、「超短期定期預金」を押した記事ですが、問題は下記の部分です。

「あおぞら銀行やオリックス銀行の商品に比べて超短期定期が優れているのは、複利効果が期待できるところです。たとえば元金100万円を『2週間満期預金』に預けると満期時に約62円の利息(税引き後)が付くので、次の2週間の元金は100万円+約62円。6カ月とか1年、元金が100万円のままの商品と違って、雪だるま式に増えていきます

まことしやかに書いてありますが、全くもってナンセンス、誇大広告です。「雪だるま式」などという一般人が飛びつきそうな言葉を使って誘導するところが恐いですね。

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なぜ雪だるま式に増えないか

まず、「複利」という言葉をごく簡単に説明すれば「元本+利息が次期の元本となる」ことを指します。つまり「利息に利息がつくので雪だるま式に増える」ということです。

この定義から言えば先の金子氏の説明は間違っていないように聞こえますが、問題は利息が少額であるということです。

複利効果の前提は「利息に利息がつく」こと。しかし、超短期定期預金では前期に発生した利息に利息がつくような運用は事実上不可能なのです。

実際に計算してみる

お金の問題は自分で計算してみましょう。金子氏の記事にあわせて、たとえば新生銀行の 2 週間満期預金(年利 0.20% 、最低預入金額 50 万円、 2013 年 2 月現在)に 100 万円を預けるとしましょう。

一年を 52 週とすれば、 2 週間では 0.20% × 2 週 ÷ 52 週 = 約 0.0077% です。利息は 100 万円 × 0.0077% = 77 円となりますが、 15 円の税金が引かれますので、実際にもらえる利息は 62 円でしょう。

ということは2週間後の元金は 100 万 62 円ということになります。さて、次の期の利息はいくらでしょうか?

計算するまでもなく、 62 円です。だって、元金が 62 円しか増えてないんだもん。

というわけで雪だるま式に増えるわけもなく、1 年間で 62 円 × 26 回の利息が受け取れるだけで、単利運用と変わりません。残念!

いくらなら複利効果が働くか

では、一体いくらなら複利効果が働くのでしょうか?逆算してみましょう。まず、1 円の利息を受け取れる元金から計算します。
注:簡単のため税金は無視します。また、若干端数の計算が適当ですが、問題ない範囲だと思うので、多めに見てください。

2 週間満期預金の利率は 2週間で約 0.0077% でしたので、 1 円をこの 0.0077% で割りましょう。 1 円 / 0.000077 ≒ 12,987 円です。つまり、13,000 円ぐらいで 1 円の利息が受け取れるということです。

さてここで元にもどりますが、複利効果をもたらすにはこの 13,000 円を利息として受け取れる元金を預ければいいのです。この元金を割り出すために再度 13,000 円を 0.0077% で割ります。

13000 円 ÷ 0.000077 ≒ 168,831,169 円

約 1 億 7 千万円になりました!おぉ!これぐらい預けておけば 2 週間後は 13000 円、 4 週間後は 13001 円、 6 週間後は 13003 円、 8 週間後は 13006 円と、雪だるま式に増えますね!(^o^)bワーイ!

…アホか。

この規模の資産をもった人がこの記事を読むことはないと思いますが(苦笑)、もし 1 億 7 千万円も現金をもっているなら、早く他の運用を考えたほうがいいですよね。 1 千万円しか保証されない1銀行に全額を預けるなんて愚の骨頂です。

ということで、超短期定期預金に複利効果など期待できないのがわかりますね。

超短期定期預金の魅力?

では、私も何度か記事を書いた「スターワン1週間円預金」などの超短期定期預金はなにがいいのでしょうか。複利運用できない金融商品など全く魅力ではない気もしますが、そんなことはありません。

メリットは「元金を適切に設定すれば税金が最低限に抑えられること」と「短期であるため流動性が高いこと」、「比較的高金利なこと」の3点でしょう。

税金が抑えられる

利率が同じでも半年とか 1 年預けていると、利息がある程度まとまった金額になるので、そこから 20% の税金(国税 15% と地方税 5% )が引かれてしまいます。超短期=運用期間が短いということは利息も少ないので、切り捨てによって実質的に税率が 20% より安くなることがあります(最低 0% )

この「最低 0% の税金」ということはお金を運用する上でひっじょーにキーなポイントです。だって税金でとられた分はどうがんばっても運用できないですから。ただし、超短期定期預金で税金面のメリットを活かすためには、元金の最適化が必要です。まぁ、このあたりの話は過去の記事(こちらとかこちら)をお読みください。

流動性が割と高い

普通、定期預金はその期間預け入れることを前提に普通預金より高い利率を得るものですから、原則として期間の途中では引き出すことができません。これが 1 週間や 2 週間であれば「気軽に預けられる」というのは直感的にも理解しやすいですね。

金子氏は「途中解約できない」ことをスターワン 1 週間円預金のデメリットとして挙げていますが、この規模の定期を崩さなくてはならないような切羽詰まる状況なら、定期を組むこと自体間違っています。数円の利息を考える前に貯蓄なり収入なりを増やしましょう(笑)

比較的高金利

いくら税率が抑えられても肝心の利率が低いと、意味がありません。普通預金で 0.003% ぐらいが一般的な中、 0.25% というのは 10 倍近いので、 1 ~ 2 週間程度の流動性が許せるならお得です。現在、長期国債でも 0.7% 程度ですから 1 週間程度で 0.25% 確保できればよいほうでしょう。
しばらく資金をプールさせておくには便利です。

ということで根拠のわからない記事を鵜呑みにせずに、運用先は自分で慎重に選びましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました m(_ _)m

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