東京スター銀行と新生銀行が0.1%に利下げ。どうする超短期預金?
大変残念ながら超短期預金の雄であった東京スター銀行と新生銀行がほぼ同時に金利を0.1%まで引き下げました。
もう一度この2つの銀行に関して最適額を計算するとともに今後の預け先をどうしていくかを考えていきたいと思います。
目次
これまでの経緯
東京スター銀行のスターワン1週間円預金と新生銀行の2週間定期預金は、これまで1週間や2週間という短い定期預金に対して0.2~0.3%という普通預金に比べて高い金利をつけてくれていたため、預入額を適正に決めれば税金がまったくかからずに表示利率そのままの金利を受け取ることができていました。
このぐらいの金利があれば、たとえば100万円を1年間預けておくと3000円程度の利息になり、最適化をすれば表示金利そのままの金利が受け取れ、600円程度の節約になるので、そこそこの魅力がありました。
しかし最近は0.15%程度まで利率を下げてきており、だんだんとその魅力が薄れてきていました。そして、この度この2つの銀行はついに0.1%に引き下げました。
一応最適化してみる
もちろん0.1%になっても税金を発生させずに利息を受け取ることは可能です。最適化シミュレーターを使って計算してみると下記のようになりました。
預金名 | 表示利率 (年利) |
最適元本額 | 実質利率 (年利) |
---|---|---|---|
東京スター銀行 スターワン1週間円預金 | 0.10% | 104,286円 | 0.100% |
新生銀行 2週間満期預金 | 0.100% | 500,000円 | 0.089% |
東京スター銀行は従来と変わらず10万4286円、新生銀行は最低預入額の50万円がもっとも効率のよい預入額です。
0.1%でも預ける価値はあるのか?
さて、最適化は前述の通りですが、0.1%というのはさすがに低すぎる金利です。仮に100万円を預けて税金ゼロで利息を受け取ったとしても1年間で1000円です。そのうち最適化によって得した分は約200円です。車でATMに行っただけでなくなってしまいそうな額です(笑)
もともと東京スター銀行はATMの手数料がかかること、自社ATMが関東にしか存在しないこと、無料で他行へ振込ができないこと、などから決して使い勝手のいい銀行とは言えません。
東京スター銀行で住宅ローンを契約している方は、預金額に応じて利息割引など、特典がありますのでこれらを利用できる人はいいかもしれません(住宅ローンの募集は昨年終了)。ただそれ以外のほとんどの人にとっては、高め金利の超短期預金というほぼ唯一ののメリットがなくなってしまった今、もはや東京スター銀行を利用する価値はほぼなくなったと言えるでしょう。
新生銀行は振込手数料無料があるので、メインバンクとして使っている人はまだ利用価値があるかもしれませんが、これも住信SBIネット銀行のほうが無料回数も多く、使い勝手もいいでしょう。
では今後短期資金をどうするか
さて、では東京スターや新生銀行をやめたとして「その資金をどこにもっていくか」を考えなければなりません。
0. 金利の回復を待つ
1. 普通預金に乗り換える
2. SBJ銀行に乗り換える
3. 楽天銀行に乗り換える
4. 住信SBIネット銀行のハイブリッド預金に乗り換える
この5つの方法を考えてみます。まずは比較表から。あくまで私個人の評価ですが。
金融機関 | 金利 | 手数料 (ATM、振込) |
定期預金 最適化 |
|
---|---|---|---|---|
0 | 東京スター銀行 | ○ 0.10% |
× | ◎ |
新生銀行 | ○ 0.10% |
○ | ○ | |
1 | 普通預金 (どこでも可) |
× 0.02~0.03% |
○ | × |
2 | SBJ銀行 | ◎ 0.25% |
◎ | ◎ |
3 | 楽天銀行 | ×~◎ 0.05~0.5% |
○ | ○ |
4 | 住信SBIネット銀行 (ハイブリッド預金) |
○ 0.10% |
◎ | × |
※2015/2/9 現在
※金利は0.1%以上を○、0.2%以上を◎。手数料は振込手数料とATM両方の無料回数が3回以上の銀行を◎、無料回数のない銀行を×、それ以外を○。最適化は税金をゼロにできるものが◎、そもそも小口で預金をくめないものは×、それ以外は○。
0. 金利の回復を待つ
東京スター銀行はおととしにも一度、0.30%→0.20%の利下げをしたあと、昨年また0.30%に戻していました。このように超短期預金の金利も長期金利や銀行の事情などによって上下しますので、「また0.30%に戻るのを待つ」というのも1つの方法です。
なお、東京スター銀行の場合、0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%のときはいずれも104,286円が最適元本なので、利率がこれらの値の場合は、定期預金を組み直す必要はありません。
1. 普通預金に乗り換える
そもそも金利で爆発的に資産を増やそうという前提ではなく、流動性を維持したまま、少しでもマシな金利をもらおうという話なので、金利が大してもらえないのであれば、いつも使っている銀行の普通預金においておく、というのも現実的な選択肢です。
もはや最適化とか難しいことを考えなくてもいいですしね。しかしこのページを見ている人は「考えたい人」ですから(笑)、他の方法も検討してみましょう。
2. SBJ銀行に乗り換える
現在超短期預金で安定して高い利率 0.25% を維持しているのはSBJ銀行だけです。
以前は内国為替免許がなく、他行への振込、他行からの振込ができなかったのですが、今はできるようになっていますし、ATM引出手数料と他行への振込手数料が月3回まで無条件に無料など、住信SBIに並ぶサービスの良さです。セブン銀行ATM、みずほ銀行ATM、イオン銀行ATM、イーネットATMが利用できますが、ゆうちょATMが利用できないのは残念です。
韓国資本ですが、日本の銀行ですので、当然ペイオフも適用されます。新規口座開設と外資に抵抗がなければ、よい選択肢だと思います。
SBJ銀行の定期預金最適化については、過去記事に書いていますのでそちらをご覧ください。
3. 楽天銀行に乗り換える
楽天銀行はネット専業銀行です。昨年から1週間や2週間といった短期の定期預金をはじめ、当時は0.50%をうたっていたので、私も記事にしました(過去記事参照)。が、一瞬にして10分の1の0.05%に引き下げられました。今でもよく0.50%のキャンペーンはやっているものの、通常時は0.05%という普通預金とあまり変わらない利率です。
口座をもっていて資金を置いている方は、金利の高いキャンペーン時に預けておけばいいと思いますが、そうでない方はあえて開設する必要もないのではないかと思います。
私の中ではATMの手数料や他行宛振込手数料が有料というのが致命的でメインバンクとしては使えません。
4. 住信SBIネット銀行のハイブリッド預金に乗り換える
私は住信SBI派なので、偏見にあふれた考察になっていたら許してください(笑)
住信SBIネット銀行のメリットはまとめると以下の3点かと思います。
- ATMの出金手数料が無料(セブン銀行は無料、ゆうちょ銀行・ローソンATM・イーネットは月5回まで無料)でお金を出しやすい
- 他行への振込手数料が無条件で月3回まで無料のため、他行に資金を移しやすい
- SBI証券の口座を開設するとハイブリッド預金が利用できる
そして、ハイブリッド預金のメリットは
- 0.100%(税引後約0.08%)の利息が受け取れる
- 定期預金ではないのでいつでも振り替えて引き出せる普通預金並の流動性
- ハイブリッド預金と普通預金の資金移動がネットで簡単、手数料なし
の3点、逆にデメリットは
- SBI証券の口座を開設しないといけない
- 定期預金ではないので小口で組めない=最適化できない=税金はきっちりとられる
の2点でしょう。
結論
- 超短期預金の利息(利率+最適化)を重視する場合はSBJ銀行
- 楽天銀行をすでに使っている方は楽天銀行
- 乗り換えを考えるのであれば利便性の高い住信SBIネット銀行
- もう考えるのがめんどくさい人は普通預金
といったところでしょう。私自身は住信SBIネット銀行のハイブリッド預金を利用しています。